LMI’s blog

香港でOLとペットシッターとボランティアのあれこれ

コモンローというもの 法学部卒の戯言

私の現在居住している香港は、コモンローを採用しています。

「学校」で習うコモンローとは、不文法。反対語は成文法。不文法とは、Wikiさまによれば、『不文法とは、文章で成り立っていないが、「法」として人を拘束するものをいう。』

もうこれにつきます。

 

何だかわかりにくいと思ったら、「一般常識」を思いうかべると分かりやすくなるかもしれません。世間の一般常識は、いい悪いともかく、例えば日本社会の関東地方で、エスカレターに乗るときに左側に立ち、右側は昇っていく人とか、あると思います。それは「常識」なので、たとえばわざと「右側」に立って、左側を昇っても、(ひんしゅくはかうと思いますが)犯罪にはなりません。日本は成文法ですから、簡単に言えば刑法にエスカレーターの乗り方について規定が書いてありませんので、そもそも犯罪が成立しないのですね。だから一般常識と法律の規定は比較的はっきり分かれていると思います。

 

学生の頃、なぜ不文法を採用する国家(大英帝国)があるのか理解できませんでした。しかし、このコモンローの地で生活して幾ばくか経ってくると、このコモンロー、実は優れものということが分かって来る気がします。ものすごく柔軟性があるので、現実に即した判断が出来るのです。つまり、コモンセンス(常識)に違反したらKY、コモンロー(法律)に違反したら犯罪。これ一本なのです。

 

英語のセンスは、日本語のフィーリングに近い感じがしますが、ざっくり言うと、皆が「え?」と感じる行動は即処罰されるわけではないが、皆が「アウトだろ!」と考える行動は処罰される。これです。

 

これにより不遡及の問題は一挙に片付きます!(法学部なら理解できるこの清々しさ)

 

何が言いたかったかと言いますと、それくらい不文法と成文法の意識が違う、ということなのです。特許で言うと、出願日か発明日か(先願主義か先発明主義か)くらいの差があり、つまり基準が全く違う、ということです。そしてこのコモンローは、実は生活意識全てに影響を及ぼしていると思います。

 

様々なカルチャーギャップに晒されながら、私は香港の片隅で香港人時々マイノリティ(インド人やフィリピン人やイギリス人や……)ウォッチングにいそしんでおります。